子は親のいうようにはしないがするようになる
最近更新が頻繁ですが、ボリビア生活も、もうあと約2ヶ月ですし、ある意味日記がわりになっているので書きたいと思います。笑
さて、子供の指導に携わってからもう2年がたちました。
最初は自分がプレーするだけの給料では食っていけないので、バイトとして働いていましたが、今年から本格的にsub-11(11歳以下)のチームの監督になり子供の指導をしています。
少し無責任かもしれませんが、正直このカテゴリーでどの子が才能豊かで、将来有名なプレーヤーになるだろうとか1ミリもわかりません。(果たしてこの世の中にそんな指導者はいるのだろうかと気になりますが、、、)
というのも、サッカーだけでなく、人生において成功は誰にも保証されていないからです。
それには、たくさんの人の支えもいるだろうし、実力だけでなく、運も必要だからです。
特に子供なんて、まだ、身体もできていなければ技術も未発達だからです。
ただ、人生において成功は保証されずとも、成長は保証されています。
そこで最近思うのは成長している子供とそうでない子供との差です。
特にこの子はこの先もっとサッカーが上手くなるだろうなというのもわかるような気がしています。
さて、子供の何を観るとそれがわかるようになったのでしょうか。
それはその子の人間性です。
サッカーと関係ないじゃないかとも思えますが、僕はすごく密接な関係だと思います。
人間性といっても幅広いし、人によって様々です。(僕も自分で人間性について問われると自信がないですし。笑 )
ただその中でも、僕はたった3つのことだけを観ます。
1つ目は傾聴力です。
人の話を聞いているか、どうかです。
それもただ聞くのではだめです。話を聴きながら、しっかり考え、理解する事も大切です。
僕が指導中、話をしていても目が合う子は決まって成長しています。
ましてや、上手い子や自分に自信のある子、成長したいと思っている子は集合をかけると必ず列の1番最初にきます。つまり、僕の真ん前で話を聞こうとします。(最近は、特にそれに偏りが出てきました。)
2つ目は、自立しているかどうかです。
サッカーでは様々な局面で瞬時の判断が求められるスポーツです。
コーチが試合中、「パスを出せ」とか「ドリブルしろ」と言ってからではもう遅いです。
つまり、人から言われてやるようではだめなのです。
もちろんまだ子供ですから多少は多めに観る事もありますが、コーチから怒られたから一生懸命練習するなど、何か罰があるから頑張ろうとする子供は絶対にサッカーが上手くなりません。
「試合に勝ちたい。」「もっと上手くないたい。」と自発的に思い、その為に練習する子供は上手くなります。
現に、親が共働きで、練習場に送り迎えができない家庭でも、10歳の子供が1人で家からバスや乗り合いタクシーなど公共機関を使用し、練習に通っている子がいますが、見違えるほど成長しています。
最後に3つ目ですが、もしかしたらこれが子供の成長に1番大切なものかもしれません。
それは、‘親’です。
日本ではよくモンスターペアレントと揶揄されることごありますが、もちろんボリビアにもそんな感じの親がいます。
一括りにモンペと揶揄するのには心が少し引けますが。。。
日本よりも思ったことをすぐ、口にする文化なので、相当なものだとおもいます。(もちろん素晴らしい親達がほとんどですが。)
なぜ、自分の子供がスタメンじゃないのか?
うちの子は他の子よりも上手いじゃないか!!
どうすればもっとう上手くなりますか?
試合に少ししかでれなかったからもう試合や練習に連れていかない!
まあ、こういった具合です。
ただ、他にも試合の勝敗にいちいちケチをつけ、コーチさながらに指示を出す親もいます。
まあ、僕は昔から口は達者な方なので、言い返そうと思えば言い返せますが、なにせ子供もいますし、立場もあるので軽く対応します。
(ただ家に帰りストレスがたまりにたまりますが。笑)
これは僕の自論ですが、公式戦の時間は平等ではありません。
練習で頑張った子が多く試合に出るべきだとおもいます。
厳しいことを言うようですが、なぜスタメンで試合に出れないのかというと正直、下手だからだし、練習を一生懸命やっていないからです。また、何を基準に自分の子供が上手いと言っているのかもわかりません。
ましてや、試合に少ししかでれないから試合や練習に行かないと、親が言うのは子供に、超えなければいけない壁あるのに、逃げてしまえと教育しているようにしか思えません。
はっきりいって、サッカーだけでなく今後の人生においてもたくさんの壁が立ちはだかるであろうに、その都度逃げていくようになるのではないでしょうか?
子は親を見て育つとよくいいますが、そういう子は試合中ワンプレー終わるごとに親の顔色を伺います。
親も自分の子だけが良ければそれでいいと言わんばかりの声援を飛ばします。
僕は幸い、自分の親は子供のころ、サッカーのことに関して全く言ってきませんでした。
いつも帰りの車の中では「お疲れ。今日どうだった?楽しかった?」それだけです。
試合中は一言も喋らず見守ってくれました。
どんな負け試合でも、どんなに自分がダメなプレーをしようといつも見守ってくれました。
多分、メチャメチャ我慢したのだとおもいます。
僕がサッカーで成功したかどうかはわかりませんが、間違いなく、サッカーを通して成長できました。これも親のおかげだと今だからこそ思えます。
もちろん、親だから自分の子供が凄く可愛いに決まっています。
1番可愛いし、1番凄いし、1番素晴らしいに決まっています。
それも充分承知の上であえていうならば、親が1番のベストサポーターになっている子供は絶対に成長しています。
この国のサッカーに対する情熱は日本をはるかに凌いでいます。
ですが、まだまだそういったところは発展途中です。
もちろん僕はサッカーの指導者なので、サッカーを教えます。
ただ、サッカーを教えること、子供を成長させるにはそれ以外の指導も必要不可欠です。
なぜならサッカーは不自然なスポーツだからです。
それは、集団で行い、敵と味方が入り乱れ、次々と状況が変わるのにもかかわらず、足でボールを扱うスポーツだからです。
そんなサッカーをプレーしようとすれば、才能や技術だけでは到底太刀打ちできません。
例えば、目の前のゴミに気づけない人(拾わない人)が他人の気持ちを理解することなんてできません。
他人の気持ちを理解できない人にチームワークだの相手チームの分析など絶対できません。
それらができない人が、試合に、勝てるでしょうか?成長できるでしょうか?
僕の答えはNOです。
これから残り2ヶ月です。
そういったことにも着手してやっていきたいです。